「日本人の8割が歯周病」というのは本当ですか?

「日本人の8割が歯周病」というのは、誤解されやすい表現だと思います。

日本人の8割が歯周病というのは、「地域歯周疾患指数」という数字に基づいているようです。歯周組織の状態から、どのような治療が必要かを調べるものです。

検査方法は、WHO型プローブという器具を使い、歯と歯肉の間の溝を測定します。
<ul>
<li>正常な場合を「0」</li>
<li>検査で出血が見られる場合を「1」</li>
<li>歯石の存在する場合を「2」</li>
<li>4~5mmの歯周ポケットが存在する場合を「3」</li>
<li>6mm以上のポケットが存在する場合を「4」</li>
</ul>
と判定します。

「日本人の8割が歯周病」というのは、正常(コード0)以外の割合を指しています。

コード0は、検査した歯のすべてが「健全」と判定された場合のみを指しています。わずかでも歯石があればコード2となりますから、そのような場合も「歯周病」の中に入っています。

ところで「歯周病」には「歯肉炎」と「歯周炎」があります。
単に歯肉の炎症は「歯肉炎」です。
「歯周炎」とは、炎症により歯周組織の「付着」が喪失している場合です。
「付着の喪失」というのは、歯と歯周組織をつないでいる部分が壊れていることです。

炎症が起きているかどうかは、プローブで診査したとき、出血があれば炎症と診断します。
「地域歯周疾患指数」はもともと治療方法の分別のための指数で、診断のための指数ではないので、コード1は歯肉炎ですが、コード2には歯肉炎ではないもの(つまり歯周病でないもの)も含まれます。
日本人の場合、コード2がどれくらいの割合かというと、15~54歳で40%以上、55歳以上で20%~30%もあります。この中には歯周病でないものも含まれています。
ですから、「日本人の8割が歯周病」というのは、間違えやすい言い方だと思います。