「ダイレクトボンディング」とは、歯に直接( direct )、コンポジットレジンという樹脂を接着( bonding )して、歯の形の修復をおこなう治療方法です。
修復に使用する素材( ボンディング剤、コンポジットレジン )が急速に進歩したため、高い耐久性を持つことが可能になりました。ダイレクトボンディングの治療結果が出来る限り長期間続くのが理想ですが、残念ながらコンポジットレジンと歯の象牙質との間の接着は次のような要因で劣化します。

  1. 象牙質のコラーゲン繊維の加水分解
  2. 樹脂含浸層(接着剤で作られた層)でのコンポジットレジン成分の加水分解
  3. ボンディングレジンとコンポジットレジンとの間の加水分解象牙質のコラーゲン繊維の加水分解の原因は、樹脂含浸層付近の象牙質から放出されるMMPs(matrix metalloproteinases)による消化であると言われています。(Pashley,2004)

樹脂含浸層でのレジン成分の加水分解については、レジンが硬化する際に生じる微小欠陥構造が水分の浸透経路となり、レジン成分が加水分解を起こします。
象牙質とコンポジットレジンを接着するボンディング剤の中で、1液性の接着剤は操作が簡単なため多くの歯科医院で使われています。しかし1液性のボンディング剤には水や溶剤が多量に含まれるため、空気中の酸素の作用によってできる表面の未重合層の厚みが厚くなってしまうという欠点があります。この未重合層とその上に充填されるコンポジットレジンとの結合が不十分になりやすく、この部分が加水分解を受けます。