「デンタルIQ」とは「歯に関する知識」のことではありません

【最終更新日:2019年9月22日】

デンタルIQという言葉をご存知ですか?

IQという名前から「歯に関する知識」と思われる方が多いと思います。
でも、これは間違いです。

「デンタルIQ」とは、1970年代にアメリカの歯科医師パンキーが造った言葉で
「その人の中での歯科医療に対する優先順位」のことを言います。

わかりやすく言うと「どれくらい歯を大切に考えているか」ということです。

ですから、歯に関する知識、例えば「人間の歯は親知らずをのぞいて28本ある」とか「歯の治療はこんな風にする」とかいうことを全然知らなくても、
自分の歯を大切だと考えている人が「デンタルIQの高い人」で、
歯科医師や歯科衛生士、歯科技工士などの歯科に関する知識がたくさんある人でも、
自分の歯のことをいいかげんに考えている人は「デンタルIQが低い人」なんです。

アメリカで生まれた「デンタルIQ」という言葉が日本に伝わったときに意味を間違えられて、歯科医師でさえデンタルIQのことを「歯に関する知識」と覚えている人が多数となってしまいました。

歯の健康を保つには、歯科医院で治療することよりも、家庭できちんと歯のケアをすることの方がはるかに大切です。
ですから、歯科医師の役目は、歯を削って治療することではなく、
患者さんの「デンタルIQ = 歯の重要度」を上げて、歯に対する価値観を変え、
家庭で適切なケアをしてもらい、
それによって歯を健康に保つだけではなく、
患者さんの人生を快適なものに変えることなのです。

ところが「デンタルIQ」を「歯に関する知識」と間違って翻訳してしまったせいで
日本の歯科医師は、歯を大切に考えてもらう活動ではなく、
歯に関する雑学や豆知識を教える活動をずっとしてきました。
その結果、日本では、昔より減ったとはいえ未だに虫歯や歯周病で困っている人を多く作ってしまいました。

外国から来た言葉の意味を正しく理解しなかったことが、日本人の健康に大きく影響してしまったということです。言葉の定義というのはとても大切です。